オーガニックライフ

身近な環境ホルモンと健康

環境ホルモンという言葉をあなたも聞いたことがあるかと思います。

環境ホルモンは、健康な体を維持する上で農薬や食品添加物と同じぐらい注意が必要です。環境ホルモンで生殖異常が起こると、人間を含めた生物の絶滅に繋がることがあるのです。

環境ホルモンという言葉は、日本における造語です。

正式な名前は内分泌攪乱化学物質といいます。難しい名前で分かりにくいので、英語をそのまま直訳し環境ホルモンという言葉が使われるようになりました。

1960年代に世界では環境ホルモンが人間を含めた生物の生体系に、異状を起こすホルモン作用があるのではないかと心配されていました。

日本では平成10年頃から、環境庁において調査研究が始められました。

環境ホルモンとは?

環境ホルモンとは、環境の中において私たち人間を含めた生物に、ホルモンのように影響を与える化学物質のことです。

これらの化学物質は生態系を壊してしまう恐れがあり、特に赤ちゃんを育てているお母さん方は注意がとても必要です。

環境ホルモンの作用と種類

環境ホルモンで問題となる最も影響のあるホルモンは、エストロゲンの女性ホルモンと、アンドロゲンの男性ホルモンです。

これらのホルモンは、ごく微量でも影響が大きく出ます

環境ホルモンが生物が本来備えている、ホルモンによる合成・結合・分泌・貯蔵・排出・体内輸送などの働きに異常をきたします。

微量な環境ホルモンとたんぱく質(受容体)とが結合して、本来あるホルモンの働きを阻害したり、活発にしたりして攪乱(かくらん)します。環境ホルモンの化学物質は定められた毒性試験で安全性は確認されているものの、ホルモンの攪乱については確認されていません。

人間を含む動物の性ホルモンや、植物や自然界に存在する物質のホルモン攪乱作用を心配しています。現在も研究が進んでいますが、その数はとても多くまだ、良くわからないのが現状です。

環境ホルモンが含まれるもの

  1. 農薬
  2. 工業化学品
  3. ダイオキシン
  4. 動物の天然性ホルモン(環境に放出されたホルモンが他の動物にも影響する)
  5. 合成エストロゲン(エストロゲンの類似品で医薬品として合成されたもの)
  6. 植物エストロゲン(20種類以上の植物が知られているエストロゲン類似物質)
  7. その他の化合物

環境ホルモンのリスクがあるもの

化学物質は世界では10万種類、日本では5万種あるといわれています。
この中に生体を脅かす化学物質が沢山あります。

環境ホルモンの種類(内分泌攪乱作用をすると疑われる化学物質67物質)

内分泌攪乱作用が疑われる個別物質有害性評価がされているのが67物質です。

環境ホルモン化学物質

  • 農薬に使われる除草剤、殺虫剤、防カビ剤
  • 食品の容器や包装に使われる素材の原料
  • プラスチックなどが廃棄され、埋め立てや焼却される時に出る物質

日本での生産使用実態のないもの、ダイオキシンなどの対策が進められているものを除くと、下記15物質群になります。

 

個別物質有害性評価

  1. オクタクロロスチレン
  2. スチレンダイマー・トリマー
  3. n-ブチルベンゼン
  4. フタル酸ジシクロヘキシル
  5. ベンゾフェノン
  6. ポリ臭化ビフェニル
  7. 2,4-ジクロロフェノール
  8. フタル酸ジエチル
  9. フタル酸ブチルベンジル
  10. 4-ニトロトルエン
  11. アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル
  12. フタル酸ジ-n-ブチル
  13. フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
  14. ノニルフェノール
  15. ビスフェノールA

(経済産業省)

ダイオキシン

ダイオキシンは意図的に製造されているのではなく、塩化ビニールなどの塩化プラスチック系が燃やされたとき、あるいは農薬などを散布したとき、有機物と反応して発生することが多く、世界的に有名なのが、ベトナム戦争のときの枯葉剤散布があり、日本では8割が日常のごみの焼却から作り出されたものです。

人に与える影響は免疫機能低下や、癌、発育異状、胎児の奇形のリスクを伴います。土壌に染み込んだダイオキシンが、野菜や果物が栄養分として吸収し、それを人間が食べたり、また、ダイオキシンの煙を吸ったり、また、雨の中にダイオキシンが発生し海に降り注ぐと、海の生物などにも影響を与えるのです。

人間がダイオキシンを摂取するのは食べ物からで、日本では1999年に法律ができて、1日摂取量が4pg/kg/日以下と決められました。1pgは1兆分の1gなので非常に少ない量です。

DDT,DDD

DDTは有機塩素系の殺虫剤・農薬で、DDDはDDTが土壌で変換したものです。DDTはジクロロジフェニルトリクルエタンの略で、正確な名前はビス(クロロベンゼン)といいます。1939年に開発されたDDTは殺虫剤として少量で効果があり、しかも、安価で作られることから、当時は無害として爆発的に広がりました。

DDTの分解物のDDE、DDAが分解しにくいため土壌などに長くとどまって、野菜などに蓄えられ食物連鎖となって、人間が食べ生体に濃縮されてしまいます。

PCB

PCBは農薬ではありませんが、私たちの生活に広く存在し、低濃度でも生物に悪影響を及ぼします。ポリ塩化ビフェニルで略してPCBといって、熱に安定的で耐薬品性に優れ、電気絶縁性が高く、塗料や電気機器など幅広く使われ提案す。

リスクはホルモン異状・内臓障害・皮膚障害・発がん性を引き起こすことが分っています。

BPA

BPAはビスフェノールAといいます。樹脂原料として現代社会で広く使われ、壊れにくいので哺乳瓶にまで使われています。この合成樹脂などを洗剤で洗ったり、高温の液体に接触させると、ビスフェノールAの成分が溶けだします。

リスクはビスフェノールAを摂取すると、活発にエストロゲンがなって、類似のエストロゲンの生理作用が起こってきます。ですから、乳幼児や妊婦さんは特に注意が必要です。

環境ホルモンの影響

環境ホルモンの影響は、世界中で調査研究が行われ、野生動物の生殖器官や生体の異常が見られました。これらの異常はメスに性転換した魚や貝、巣を作らないワシ、子供を産まないミンクなどが見られました。

デンマークでの調査では男性の精子が著しく減少したそうです。また、子宮内膜症の増加や、精巣ガンの増加、女性化する男性が増えてきています。

環境ホルモンが原因だと考えられる世界の問題

  1. フロリダのヒョウのオスがメス化して、絶滅に近い状態になっている
  2. フロリダのハクトウワシが生殖能力を失ってきている
  3. フロリダのアリゲーターの生殖器の萎縮がアポプカ湖で見られ、アカミミガメも中性となりメスでもオスでもないものが現れてきている
  4. セグロカモメがオンタリオ湖やミシガン湖において、異状に多い卵が巣に作られている
  5. ミンクがミシガン湖で生殖異常が見られ減少につながっている
  6. カワウソが英国とヨーロッパで減少している
  7. アザラシが北ヨーロッパで大量に死んでいる
  8. イルカが地中海で大量に死んでいる
  9. PCBが南極大陸のペンギン、北極圏に住むホッキョクグマからPCBが検出された
  10. カエルが世界中で減少している

環境ホルモンが使われる商品

現代の生活の中で、環境ホルモンとなる商品がたくさん使われています。

化粧品

化粧品には紫外線防止効果のある、日焼け止め化粧品の人気が高まっています。

しかし、紫外線吸収成分である「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」が、環境ホルモン作用があることが実験結果から分かっていて、皮膚から浸透し、子供の精巣が小さくなったり、精子も少なくなったり、脳の発達にも影響を及ぼしていることが分っています。

口紅やネールカラーにも使用されているので、特に妊婦さんや子供には注意が必要です。日焼け止めは近年とても人気がありますが、この成分が入ってないのを選びましょう。

プラスチック容器

BPA(ビスフェノールA)やフタル酸エステルなどで作られたプラスチックなどから、ミネラルウォーターなどに環境ホルモンの化学物質が溶け出している研究結果が発表されています。

使われているもの

ペットボトル、コンビニのお弁当やお惣菜の容器、
食品の容器や包装、食品用ラップなど

 

その他

そのほかに医薬品・合成洗剤・包装材・住宅資材・衣料品などありとあらゆるものに、
環境ホルモンの毒性が使用されています。

化学物質過敏症、不妊、子供

環境ホルモンが使われた商品は、近代世界中には嫌というほど出回っています。化粧品1つとっても、環境ホルモンとなりうる成分が使われています。美しくなるために皮膚に塗り、皮膚から吸収され化学物質過敏症や、不妊などの異常をもたらします。

便利な生活をするために、私たちは環境ホルモンという負の遺産を取り入れ、化学物質過敏症になったり、不妊になったり、子供の発育が遅れたりして、新たな問題が浮き彫りになってきています。化学物質過敏症や不妊は現代社会では、誰にでも起こりうることです。

環境ホルモン対策

海外での環境ホルモン対策

海外では子供に対する、環境ホルモン対策が叫ばれています。WHO(世界保健機構)では子供に対する環境ホルモンの疫学的研究から科学文献レビューを発表しています。世界各国で今なお研究や調査が行われ、まだ、はっきりとした実態は掴めていません。

日本での環境ホルモン対策

全世界に排出されているダイオキシンのうち、約半分を日本が生産、排出しています。
先ほど挙げたようなプラスチックに含まれるBPAのことをニュースや新聞で見たことがあるでしょうか?

日本では、マグロを食べすぎると、水銀のリスクがあるという注意勧告は母子手帳などにも書かれていますよね。

オーストラリアでは、妊婦はレシートに触らない方が良いという国からの注意勧告があります。レシートの感熱紙に使われる薬品が環境ホルモンのリスクがあるため、胎児へのリスクを避けるためです。

残念ですが、日本ではこういった報道は公にはされません。
トランス脂肪酸やプラスチックの環境問題など、消費者が大きく関心を持ち、
そういった商品を買わないなどの消費行動が起きてから国が動くといってもいいでしょう。

国が認めているから大丈夫。大手のメーカーが生産しているから安心ということではありませんね。

個人でできる環境ホルモン対策

個人レベルでできる簡単な対策としては、プラスチックの容器を使わないことです。
特に油や高温に触れさせないことです。

環境ホルモンは水には溶けでにくいですが、高温になると溶け出しやすくなります。
また、油やお酢などの酸が強いものでも溶け出しやすくなります。

環境ホルモンを避ける

  • 炊きたてでホカホカのご飯をラップで巻いておにぎりを作らない
  • プラスチックの容器を熱しない(ペットボトルを夏の車内に置かない)
  • プラスチックの容器に賛成が強いもの、油物を入れない
  • インスタント食品やカップ麺、缶詰を避ける(瓶の方が良い)
  • 容器は陶器やホーローなどを使う

コンビニエンスストアの食品はほとんどがプラスチックの容器に入っていますよね。

油を使っているものも多いですし、それを電子レンジで温めるということは
環境ホルモンが流出している可能性もかなり高いです。

まずはそういう事実を知ることからはじめられるといいですね。

まとめ

環境ホルモンはまだはっきりとした実態が掴めていません。

私たちが表面的なことばかりにとらわれ過ぎて、便利で、キレイで、清潔に見えるものを求めるところから、実は環境ホルモンという、生態系を壊す商品やごみを出すことになるのです。

水道水より安全と思われたミネラルウォーターから、環境ホルモン成分が溶けだしているという研究結果も発表されています。水道水は危険といわれますが、ミネラルウォーターより水質検査は厳しくされています。私たちは1度立ち止まって考えないといけない時期が来ているのかも分かりません。

国が規制、注意するまで待っていては被害者になる可能性があります。
リスクがあるもの、大きなものは自発的に避けていく必要があります。

健康に関することですから、注意しすぎるということはないのではないでしょうか?
健康を害してからでは手遅れになることもあります。