メディカルハーブとは?
メディカルハーブとは、その植物に含まれる成分や活性物質が病気の治癒や健康維持に効果があり医療や自然医学で利用される植物を指し、香草としてのハーブに限らず薬草全体を総称するものです。
メディカル・ハーブの効果
一般的に、
- 風邪の諸症状
- リウマチの症状
- 消化不良の原因となる症状の改善
- 抗炎症効果
- 鎮痛効果
- むくみの解消
- デットクス
- 疲労回復
- 血圧降下作用
などとして知られています。
天然の植物には多くの成分が含まれます。
近代医薬品のような即効性は期待できませんが、自然治癒慮力や免疫力そのものに働きかけるハーブの特性が体全体に好影響を与えながら症状を緩やかに改善させます。
そんなメディカルハーブは、スパイスとして料理に利用する以外にもあらゆる方法で日常生活に取り入れることが可能です。
ハーブティー
まず代表的な利用法として、ハーブティー(温浸剤または冷浸剤)として
楽しむことができます。
メディカルハーブをお茶として利用するには、
- 葉を乾燥させて用いる方法
- ハーブを煎じる方法
- 乾燥させてから煮出す方法
- 新鮮な生のハーブに直接お湯を注ぐ方法
などがあります。
薬草の種類によってカフェインなど強い刺激のある成分を抑えたい場合は、冷浸剤として、つまり水出しのハーブティーでいただくのが良いでしょう。
湿布剤
メディカル・ハーブは湿布剤として患部にあてて利用する事も可能です。
海外ではポルティスと呼ばれる形状の湿布としてメディカルハーブは治療やスパでも使用されます。(ポルティスはハーブを布で包んだてるてる坊主のような形をしています。)
ハーブの葉や根を布に包んで使用したり、加熱したポルティスを使用する場合もあります。
ハーブを生で利用する場合は、葉や根を細かく刻んだりブレンダーを使ってピューレ状にしたものをガーゼやモスリンという生地で包みます。
マッサージの施術後に暖かいポルティスを湿布し、
筋肉の緊張を和らげたり不純物の排出を促すこともあります。
常備薬
ハーブシロップ
ハーブティーの他、メディカルハーブはシロップにすることで家庭の常備薬になります。
ハーブで煎じ薬を作り甘味料を加えたシロップは比較的長期間の保存が可能となり、
お子様の健康維持の為にメディカル・ハーブを利用する場合にも有効です。
シロップであれば、家族が病気になってから慌てて薬やハーブを調達することなく
前もって用意する事ができます。
ハーブチンキ
メディカルハーブで作るチンキ剤もまた保存期間が長く、幅広い用途で利用可能です。
家庭でハーブの成分を抽出して作るチンキ剤(濃縮エキス)はハーブチンキやティンクチャーとも呼ばれるもので漬け込むハーブによってもその効能、美容効果は様々です。
西洋ではアップルサイダービネガーを用いるレシピもありますが、カビの被害を受けやすい地域ではウォッカやホワイトリカー、無水エタノールなどのアルコールが用いられるのが一般的です。
チンキ剤はローションに加えて化粧水にしたり、やうがい薬、入浴剤としても活用でき
冷暗所保管にて1年ほど保存が可能です。
メディカルハーブを使う上で、気をつけること
さて、このように家庭ですぐに導入できる手軽さも魅力のメディカルハーブですが植物だから100%安全と判断するのは早合点です。
メディカルハーブを利用する際私たちが万全の注意を払うべき点はその用量投与量です。天然由来の成分でも過剰に投与すると人体に有毒に作用します。
またメディカルハーブの成分は、多くの生薬や医薬品の製造と開発の基礎となっており、全ての処方薬のおよそ4分の1には顕花植物に由来する成分が含まれるほどです。
例えば心不全に使用される治療薬ジギタリスは、ヨーロッパ原産のジギタリスという植物、(別名キツネノテブクロ)に由来しますが、この植物は薬用に利用される一方で全草に猛毒があることで知られています。
毒を有する植物を治療に用いる他の例としては太平洋イチイの樹からは乳癌のための強力な制癌剤が発見され、日々草(ニチニチソウ)からは白血病に対して有用な抗癌剤が作られています。
このように薬用として利用可能な多くの植物が同時に毒性を有する事は珍しくありません。植物由来の化合物は精製されたりまたは微量な用量により使用が可能となるのです。
メディカル・ハーブが深く生活に根付いているドイツでは、薬草図鑑の多くが同時に有毒植物の図鑑でもあります。毒と薬は紙一重といわれるようにメディカル・ハーブもその例外ではないという事です。
まとめ
メディカル・ハーブは正しく利用すれば私たちの自然治癒力を高めたり、日々の不調をケアしたりストレスを緩和する効果を与えてくれる素晴らしい天然のお薬です。
ですが、用量投与量はメディカル・ハーブと毒草を分ける重要なポイントであり作用の強い薬草をファッション感覚で利用するのは安全とは言えません。メディカル・ハーブを使用する際は用法用量を必ず確認し不安を解消できない場合は専門家やセラピストに相談しましょう。
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